店舗偵察レポート

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なぜ人はわざわざダイエーへいかなく行かなくなったのか?
検証してみました 万代シティの現状と今後


写真・新潟市万代1丁目 ダイエー新潟店
11月30日をもって閉店が決まったダイエー新潟店。なぜ人はダイエーへ行かなくなってしまったのか?わたくし、新潟店を検証してみました。

以前、長岡店を検証とも思いましたが、 理由は明確で商圏内に原信今朝白店、ウオロク長岡店がオープン、イトーヨーカドー丸大長岡店がリニューアル。そして長岡市近郊にスーパーセンターの進出などが重なり、客足が減っていった現実があります。車社会の長岡なら、スーパーだけで買い物するなら平面駐車場の原信へ行くでしょうし、衣料品を欲すれば長岡駅内のショッピングゾーンや駅前の丸大があります。各店と比較した場合、ダイエーの方が品質、品揃えに劣った部分に原因があります。検証するまでもない現実でした。

しかし、今回の新潟店閉店について、一般の人からは驚きの声が多かったことがありました。わたしもご質問のメールを幾つか頂きました。
「長岡店の撤退要因は解ったけど、なぜ新潟店まで?あんなにお客がいるのに。」
「まさか一等地のダイエーが出て行くとは…でも次のお店すぐ決まるんでしょ?」
「ダイエーのやり方が悪かっただけで、経営者が変われば万事うまくいくよ」


ダイエー撤退の大きな理由は、「地方都市からの撤退」が前提となっていますので、 仮にお客がもっと多く賑わっていても、逆に少なくてもいずれにせよ撤退するのだと思います。それも含め、一等地であってもやはりここ新潟市も郊外には大型店、スーパーセンターの進出が相次ぎ、また新規の出店もひかえています。しかし、以前からカネをかけて大改装して売り場維持をしてくれば、最悪の結果は避けられたはずとは思いますが、その維持を新潟店のみならず、全国各店でできなかったダイエー。

新潟店は1979年にはダイエー全店舗で、年間売り上げ一位となったドル箱店舗。なぜ人はそんな新潟店へ行かなくなってしまったのか?

新潟店がダイエー全店舗で年間売り上げ一位となったその時代。郊外大型店などもちろん無く、車社会の到来時期ではあったものの、人の移動は電車かバスが主流。新潟店はバスセンターが隣接し、新潟駅からも徒歩で行ける絶好のショッピングゾーンでありました。そしてバスセンターを挟み、1984年には新潟伊勢丹がオープン。これをもって万代シティは、新潟市近郊の一大商業地域として繁栄しました。

それから20年と言う年月が流れ…。
田舎新潟では車社会の到来。土建屋大国新潟では都市のみならず、郊外の田舎までバイパスの整備が進み、郊外では大型ショッピングセンターのオープン。官庁から市役所まで郊外に移転、もはや車無しでは仕事、買い物すらできない状態になってしまいました。

写真・新潟市八千代2丁目付近
新潟市中心部。そこはもはや駐車場不足に悩む街。車で行くにはまずこの渋滞に巻き込まれなければなりません。万代シティは目の前に見えますが、車が全然前に進みません。

写真・新潟市八千代2丁目付近
交通渋滞を避けるとため、わざわざ大回りをして入る駐車場。立体駐車場は屋上を残しもはや満車。あげく、各立体駐車場は周辺に点在しているので、空きを探す車が旋回しています。新潟交通のバスも行き来するため、周辺は歩くのもままなりません。

写真・新潟市万代1丁目 ダイエー新潟店
やっとつきました。渋滞に巻き込まれてから30分で到着。その割には閑散と…?

写真・新潟市万代1丁目 ダイエー新潟店
…そうですか。閉店ですか。長い間お疲れ様でした。従業員の皆様に感謝ですね。

店内に入ってみましたが、1階と2階はバスセンターへつながっていることもあり、またそれを意識した若者向けのショップを配置しているせいか、一往に賑わっている雰囲気ですが、多くはバスセンターや伊勢丹への素通り客が多いだけの気がします。(実際にそうでした。

3階以上は線を引いたようにお客が少ない。食品売り場もフードコートは多少、人気があるようですが、食品売り場となると商品のボリューム含めお客のボリュームも少ない。

写真・新潟市万代1丁目 新潟三越万代
…あの渋滞。お客は一体どこへいったんだろう。向かいの三越万代、新潟アルタや紀伊国屋書店は若い層が多く、店内もダイエーよりは混雑している感じはあります。
じゃ、伊勢丹の方へ戻ってみるか。

写真・新潟市八千代2丁目 新潟伊勢丹
でか過ぎて写真に入りきらないと言いつつ、地下の食品売り場へ。
…いましたよ。お客さんがいっぱいいます。確かにスーパーで売っている庶民的なアイテムは少ないですが、お金持ってそうなセレブなご年配とか、ワケありそうな?貴金属に身を包まれたお姉さまやお兄様など客層は様々ですが、かごには結構入ってますね。特にスイーツとかお菓子とか、おフランスの地図が貼ってあるパン屋さんも人だかりができてます。

ダイエーだと上階部分、線を引いたようにお客が少ないのですが、伊勢丹は7階のレストラン街まで満遍なくお客がいます。紳士服コーナーってお客が皆無なスーパーは飽きるほど見ますが、やはりこのようなお店で買うのでしょうか。(それか洋服の○山、マスカ○トとか…

写真・新潟市八千代1丁目 ビルボードプレイス
歩きつかれたなぁ…。車に戻ろうか。って立体駐車場も兼ねた物件、それはビルボードプレイス。若い方には「ビルボ」と呼ばれており、フツーのとーちゃん、かーちゃんが普段着の軽装で店内へ入ってしまうと、必ず白い目で見られます。十代から三十代向けのファッションビルです。飲食店とか映画館とかも併設されていて、点在する立体、平面駐車場からも近いです。まだまだ他にブランドショップなどもある、そんな万代シティを一通り見てきました。

開店時期としてはダイエー、伊勢丹、ビルボードプレイスの順。位置的には北端がダイエー、南端がビルボードプレイスとなります。最近ではさらにその南に、新潟のお台場と地元の人間でも顔から火が出そうなほど恥ずかしいフレーズでオープンしたと噂される、地元某テレビ局の新社屋があり、立体駐車場も隣接しています。

検証として…。
年月の経過、後のビルボードプレイス進出など、万代シティのメイン店舗がダイエーから伊勢丹へ移ったこと。万代シティが広がるにつれ、都心?が南へ移動していること。ニーズの高級志向を早期に読み取り、ブランド店の誘致を進めた伊勢丹に水をあけられてしまったこと。その客の流れを把握しきれずに、客層にあった売り場に対応できなかったこと。立体駐車場の整備が南側に集中したこと。…なんでしょうか。万代シティにダイエーが無くても、満たされる部分が多くなったのかもしれません。

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