早朝の検品
店舗納品は基本的にセンター便で統一されていますが、
一部には直接、店舗に納品される商品もあります。
どちらにしろ、伝票と商品数が合っているかを確認する
「検品」をしないと、荷受けはできません。
各部門の従業員が出社した後に、
問屋が納品すれば検品も各部門で行えるのですが、
問屋の配送ルートや店舗の位置によっては、
早朝から納品される場合もあります。
検品係が揃っている店舗は羨ましい限り。
我が店舗の場合、
従業員の出社前から駐車場で待機している問屋がいるので、
必然的に一番乗りで出社した従業員が検品することに。
だいたい一番乗りで出社するのは、生鮮部門の主任クラスが大半。
作業段取りを考えて早めに出社するものの、
店舗前には問屋のトラックが数台待機。
主任の車が駐車するや否や、わさわさとトラックから商品を卸します。
主任が通用口のカギを開けて、配電盤に向いバックヤードの電源を付けて、
グロサリー倉庫に戻ると、問屋連中が行列になって検品を待っています。
「おはようございます。今日も早いですね」
「いえ…そちらも大変ですね」
「はい。今日は結構、品数が多いんですよ」
と、伝票を手渡され、
そこから20分くらい検品が続きます。
「あれ?これ0ってなってるけど、また欠品?」
「あ、すみません。在庫切れでして…」
「後で担当に連絡しておいてくださいね」
「あ、わかりました。本当にすみません」
パンに乳製品、漬物に水物類。
センターを通さない直納と言われる商品ばかり。
なんで畜産主任が早出して、食品の検品に時間を割くのでしょう。
結局、早出する場合は、プラス20分加味しないと畜産の作業が押してしまいます。
そして意地が悪いのは、それを知っていて、
定時で出社してくる「お局」の食品主任。
「あら?これ0になってるけど、また欠品?」
「在庫切れだそうですけど、後から連絡するよう言っときました」
「あのさー、アナタ昨日の検品でも欠品してたでしょ。今日も欠品してるなら、厳しく言わなきゃダメでしょ」
だったら、あなたが早く来て検品しなさいよ。
どうせ、家でつまらないワイドショー見てから来るんでしょう。
だから行き遅れるんですよ。
善意で検品し(てあげ)たのに、なんだかんだと文句を言われて、
結局、作業スタートがいつも通りの時刻になって、
結果、開店準備が遅れ気味に。
急いで値付けしていると、今度は店長がやってきて、
「おい主任!ギョーザの皮はどうした?また欠品か」
欠品じゃないですよ。
目の前にあるでしょう。
食品の検品をしてるのを知っていながら、
よくもまあ、平気でそんな事を言えるかと。
検品の人員を揃えられないんだったら、
嫌味を言う前に、せめてギョーザの皮くらい品出ししてよ。
「お客様に最高の状態でお迎えする」
その言葉の裏には、畜産主任の汗と涙と怨念が蓄積しているのである。
【後日談】
他にも数店、早出組の主任連中から同じクレームが出たようで、
各店ごとに納品時間を再確認して調整することに。
再確認なんてテイのよい言葉でしたが、
そもそも、納品時間を守っていないのが原因。
ただ、問屋側からすれば、
早めに回れるところは納めてしまいたい気持ちもわかる。
程度の問題なんですが、なかなか難しいですね。