恐怖!新春大清掃
一般的な企業は、年末最後の終業日に大掃除をしますが、スーパーマーケットである我が店舗の場合、正月明けの落ち着いた時期に行います。と言っても、バックヤードには、あまり余計なものは置いていないので、クリンリネスが中心となります。
大手チェーン店ですと、業者が対応してくれる話も聞きますが、地方のローカルスーパーにはそんな気の利いた対応はありません。基本的なクリンリネスは毎日の繰り返しなので、それ以外の細かい場所や、あまり使用しない備品、用具の洗浄と整理です。
すべての【細部】なのですが、
・品出しカートや台車の洗浄
・パッカーやジャカード
・まな板や包丁
・スライサーやチョッパー
・床の除菌
・冷凍庫や冷蔵庫の整理 etc
用具の隅をつまようじなど先の細い器具を使って、重箱の隅をつつくように、カスやごみなどを取り除きます。台車や品出しカートに、誤って貼ってしまった販促シールを剥がしたりも。
ヘラでシールを剥がしていると、サブ君から質問が飛んできます。
「この大きな丸皿トレー、処分していいっすかね」
「もう使わないなぁ。枚数だけメモして処分してくれるかな」
「このシールも使わないっすよね」
「こんなシールまだあったんだ。もう捨てていいよ」
「こんな短冊出てきましたよ。だいぶ前のですよね」
「懐かしいなぁ。〇〇さん(前任者)の時じゃない?」
「〇〇さんって今、〇〇店ですよね」
「あそこも大変なんだよなぁ。パートさんが根付かなくて…」
「大変です!こんな伝票が出てきました」
「ここにあったんだ。あれだけ探して見つからなかったのに」
「あまり余計なものは置いていない」つもりでしたが、いろいろ出てきましたね。
パッカーやプリンター周りの整理を終えると、冷凍庫を探索。基本的には余計なものは無いはずですが、やはりいろいろ出てきます。
「あ!カレーコロッケが1ケースありました!ここに隠れてたんすね」
「ここか。1ケース足りないと思ったんだ。来週にでも売ろうか」
「クリスマスチキンが転がってますよ!」
「こんな端数が…いいよ、俺が買って帰るよ」
「豚のモモ肉が転がってます!」
「なんで冷凍庫に?なにかと紛れ込んだとしか思えない…」
「棚の陰にハート形コロッケが一つ!」
「もう、捨てていいよ…割れてるし」
商品管理と棚卸のいい加減さが、わかりますね。
「わあ、いろいろ出てきましたねっ!」
サブ君。
アナタ、無邪気に喜んでいる場合ではありません。将来、キミが主任になったら、こんな姿を部下に見せないように。反面教師から学んでほしい。
もはやミイラと化したチキンやモモ肉、コロッケを回収。定番カットになった付け合わせのタレも、冷蔵庫から回収。
ようやく、氷点下から撤収してくると、
「主任。この落書き、落ちないんですけど」
棚に隠れた壁を指さすパートさん。
カッターのような刃物で刻まれている名前。
ここは事故物件ですか?
怖くて居残りできません。