恒例!冬の鍋物フェア
12月から2月にかけては鍋物シーズン。
店内にはいろいろな鍋つゆセットが並べられ、鍋物用の野菜セットも並びます。野菜セット作りが大好きな青果部のエンドウ主任。自分の売り場のみならず、鮮魚売り場や我が畜産売り場への陳列も忘れません。
鍋物シーズンは夏のバーベキューシーズンより長いため、売り場や商品は作りやすく、レパートリーも豊富。青果売り場では、食品メーカーの鍋つゆ、鮮魚売り場では、鮭や鱈の海鮮、練り物やカニ、畜産売り場では、すき焼きのほかキムチ鍋や鶏鍋など、それぞれに合わせた野菜セットが並びます。
プロセスセンターやメーカー製造のアルミ鍋セットのほか、カット野菜も品揃えていますが、いずれも2人~3人前。郊外立地の我が店舗では比較的、他店より大型パックの野菜セットが売れており、鮮魚や肉とは別々のパックが好まれます。
店内でカットした野菜セットはパリッとしていて、はちきれんばかりのラップ越しには鮮度感も出ます。お客の動向を見ていると、大人数の家庭では、それぞれが好きな魚や肉を選んで、量に合わせて大型パックの野菜セットを買うパターンが多いです。
「私とお父さんは豆乳鍋が食べたいわ」
「爺さんたちはそんなに量を食べないし、小さいパックでいいか」
「お義母さんはお野菜とお魚好きだから、この野菜セット半分足すと丁度いいかも」
「あたしはキムチ鍋がいい。バラ肉もっと足す?」
「ちょっと、それはしゃぶしゃぶ用のバラよ。そっちの薄切りがいいわ」
「あ!このバラ美味しそう!カルビって…焼肉用?やっぱ、焼肉にしようかな」
「ダメよ!今日は鍋で統一してよ。テーブルが汚れるから、別の日にして!」
もちろん、しゃぶしゃぶ用も売れます。
鍋物用の肉は基本的に、薄切りにしてトレーに盛りますが、しゃぶしゃぶ用の場合、ブランド牛や、霜降りが綺麗で単価の高い部位の場合は、丸皿とよばれるちょっと豪華なトレーに盛り付けます。手間はかかりますが、単価も高く、売り場も豪華に見えるので、この時期には欠かせない存在。
丸皿の売れる時期、サブ君にとっては商品づくりの技を磨く恰好の機会となります。
「なんか、ペタッとなっちゃいます」
「置くような感じで、ふわっと重ねてみてよ」
「うわあ…最初と最後の間隔が合わないっす」
「慣れれば境目が分からないようになるさ」
「ここんとこ、もう少し直さないと…」
「あまり長く触ってると、肉が溶けちゃうよ」
「真ん中の花びらが…ああ、写真(見本)と全然違う」
「肉を詰めすぎかなぁ、定量を超えてますよ」
「こんな高い牛、緊張しちゃいます」
「いつも切ってるローストビーフに、毛が生えたもんですよ」
「え?毛が生えてるんすか」
「いや…生えてはないけど、こっち見ないで肉を見てよ」
最初は手が震えていたサブ君。何パックか盛っているうちに、震えは止まったようで。
ボリュームがあるように見せつつ、他のパックと量目を合わせないといけません。難しい技ではありませんが、まあ、慣れですね。
一生懸命作った丸皿にラベルをつけて、売り場に並べます。
「どうよ?ご自分が作った商品を飾るお気持ちは」
「うわぁ、主任が作ったのとは違う。売れるかなぁ」
どっちが売れるか競争ですね。
「そうだ。鍋コーナーのレポートを提出しないといけないから、写真撮ってよ」
「え?俺の丸皿でいいんすか?バイヤーにも見られちゃいますね」
「早くしないと、売れちゃって写真撮れないよ」
お客の切れ間を見て、彼の大好きな撮影会をしていましたが、何を思ったのか、通路の反対側で牛乳の品出しをしていた日配のパートさんにカメラを預け、
もはや記念撮影。
この写真をレポートに付けろというのでしょうか。