ひとりごと

スーパーマーケットの苦悩

「大学や専門学校に入学して、いろいろとお金が必要なのでアルバイトをしたい」
「子どもが小学校へ入学して、少しは手がかからなくなったので、午前中だけでも仕事をしたい」
「夫(自営業)の手伝いをしているけど、もう少し貯金を増やしたい」

以前、「スーパーマーケットは人生交差点」と書きましたが、まさにその通りで、時間帯によってさまざまな人たちが従事しています。自分が勤務していた店舗では、午前は生鮮部門の開店準備を中心として、小学生から高校生くらいのお子さんがいらっしゃる女性が多く、夕方からは大学生や高校生のほか、今でいう自営業でWワークをされている方などで占められていました。

個人的な話ですが、近所に住む某中核チェーン店の生鮮担当者の話では、現在でも同じような構成だとおっしゃっていました。彼いわく、「少なくてもウチ(の会社)では、昔のような垂れ流しのサービス残業は聞かない」とのこと。

彼の生活パターンを見ていると、朝6時前には家を出て、夕方6時頃には帰宅。繁忙期を除けば時折、休日や祝日のほか、連休も取得しているようですが、そもそも彼がタフな体質ということで、客観的にタイトに見えないだけなのかも…。

「いま”まともに”サー残(サービス残業)してたら、SNSにさらされちゃうよ」
「ただでさえ人が集まらないのに、ブラック(企業)認定されたら、就職説明会は地獄だよ」

今の時代、人事部も苦悩なのですね。

昔と比べて、労働条件も少しは改善されているようですが、やはり悩みは尽きないそうで。

103万円の壁

パートさんの課題。
専門的な説明は割愛しますが、例えば、既婚者のパートさんが配偶者控除を受けたい場合、給与の総支給額は103万円を超えない範囲で働かなければなりません。

企業によって単価は異なりますが、おおむね1日4時間程度で働くパートさんが対象となることが多いです。大幅に残業しなければ、規定を超えることはほぼありませんが、慢性的に人員不足な店舗や部門の場合、残業をお願いし過ぎると、まれにオーバー。

増えたものは減らせませんので、過去にギリギリセーフで冷や汗をかいたパートさんは、アナログで毎日カウントしている人も。本来であれば、主任が気に留めて管理すべきところではありますが、日々の仕事に追われてついつい…。

「主任!アタシあんな身の縮まる思いはしたくないワ。もう、残業はしません」

ごもっともです。

従業員同士のもめごと

人間は群れる習性のようで、グループで意気投合しているうちはよいのですが、あまり距離が近すぎると、多少のことですれ違う場合も。

「主任は〇〇さんばかりに、エコひいきしている」
「あの言い方が気に入らない!一緒に仕事したくない」

一度、崩壊した関係をもとに戻すのは、限りなく無理に近く、もとに戻ったように見えても「仮面同士」となってしまうと、もう悲惨。同じ部門内ならなおのこと。

「〇〇さんと◇◇さん。大ゲンカして以来、5年以上も口をきいていない」
「業務上の会話はしているけど、お互いの目を見ていない」

良好な人間関係を維持するには、「ほどほどの距離」が必要なのかと。

シフト変更の不満

万年人手不足で、ギリギリのシフトを組んでいると、突然の欠勤者が出た際には、朝からバッタバタです。

「子どもが熱を出してしまった」
「ぎっくり腰で動けない」

当然、体調不良は致し方ありませんので、「お大事に」といったところです。

しかしながら、
「明日、どうしても出かけなければならない用事ができた」
「〇日に休暇を入れていたけど、変えてほしい」

理由として正当ではありますが、中には日常的に変更を求めてくる人もいます。事前に休暇の希望日を提出する際は、しっかりとご家庭のスケジュールを確認してくださいねと、口を酸っぱくして散々、念を押しているにもかかわらずです。変更となると、他の日時まで影響が及ぶので、組みなおさなければならない場合も。

逆に希望日の無い人は、神に見えます。

結果として、その「神」がシフト変更の影響を受けるわけですが、見方によっては「神」がいる部門だからこそ、甘える人も少なくないのかなと。ただ、神がいない場合、他の人に無理を言って変えてもらうので、頻繁であればあるほど、表に見えない不満がふつふつと溜まっていき、いつのまにか犬猿の仲に。新しく赴任した店舗で、すでにギスギス状態だったらと思うとゾッとします。

「〇〇さん!頻繁にシフト変えすぎよ。主任から注意してください」

そりゃ、そうですよね。

首長が変わると店の雰囲気も変わる

時に人事異動がある業界ですが、店長や主任、マネージャーが変わると職場の雰囲気も大きく変わります。素晴らしい首長が着任すれば、しばらくは虹色の環境が保証されますが、悪評が絶えない頭のネジが4本ほど外れている首長が着任すると、少なくとも数年はグレー色の環境が保証されます。

実はお客から見ても、その変化は少なからず売り場に現れます。

「ポリ袋の枚数が減った」
「店員がギスギスしている」
「お客様の声の返答が、上から目線で高圧的」

目に見えない”変な空気”が、店内を流れています。

工場の製品と違い、人間は生もの。
形の良いものもあれば、悪いものもある。
気持ちでは理解できてはいるものの、同じ空間で仕事をしていると、なかなかつらいものがあります。


時代は変わっても、スーパーマーケットの苦悩は変わらないようです。

j-rakuda

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