ひとりごと

スーパーマーケットよもやま話

写真はイメージです。

スーパーマーケットは人生交差点。
何気ない毎日の繰り返しの中にも、エピソードは詰まっております。

小学生の課外授業

小学生のご一行様がやってくる課外授業。ホームルームで興味のある職業を挙げ、グループに分かれて見学します。例えば、交番の警察官や、レストランや工場など。裏側の見えない部分に興味を惹かれるのか、スーパーマーケットのバックヤードも人気はあるようです。我が店舗の場合は、店長の誘導で青果・鮮魚・畜産・惣菜・食品と巡回し、各担当者から説明を受けつつ、実際の作業を見るわけです。

畜産の場合は、ミートスライサーでの作業を見せますが、次々と切り出される肉を上手にキャッチして、トレーに盛る姿は結構注目されます。せっかくの舞台なので、サブ君に任せるのですが、緊張のためか顔が真っ赤に。

「緊張しすぎて、手を切ってはいけませんよ」と、一言つぶやいておきます。

小学生に「よ!がんばれ!」と声援を受けるサブ君。

本当に手を切られては困るので、ご一行様をさっさと惣菜部へ急き立てました。

抜き打ち検査事件

時折、衛生検査や量目立入検査など、抜き打ち検査が入ることもあります。個人的には量目立入検査を経験したことが。3人程度かと記憶していますが、売り場から持ってきた数パックの商品を、バックヤードの計量器が正しく機能しているか、トレーやタレなどの量目(風袋・ふうたい)を正しく引いた設定になっているかをチェックします。特に大きな問題もなく、ご一行様はお帰りになられたのですが、もう心臓はバクバクものでした。

そもそも、決まった風袋を引いていれば、何ら問題は無いのですが、意図しないところで実際の量目より多めとなっていることが、全く無いとは言えないところも。ですから、複数パックをサンプル対象とするわけなのですが。

ある企業では、担当者がポケットに重りを忍ばせ、計測の際にパックの上に重りを置いて偽装計測し、ニュース沙汰に。他県の話でしたが、同業者として聞いていてあまり気分はよろしいものではなく、いずれにしてもいつかはバレるでしょうに。

「アタシはグラムを測って料理するけど、ここの店の肉はいつも足らない…」って。

男性パート失踪事件

高齢化社会を向かえ、かつては女性比率が高かったスーパーマーケットの売り場でも、シニアの男性が食品の品出しをする姿を多く見かけるようになりました。しかしながら、人間には努力だけでは解決できない、生まれ持ったセンスが必要となる仕事も存在します。

そもそもサービス業であるスーパーマーケットに求職する人たちは、必然的に接客を意識している人も多く、シニアの男性であっても、さわやかな笑顔でサッと売り場を案内してくださる方も多くいます。しかしながら、中にはどう考えても選考ミスとしか言いようのない、お方もいらっしゃいます。

地元の企業でリストラにあい、お試し期間で品出し作業を担当していた初老の男性パートさん。会話が苦手でお客に質問されてもはっきり返答ができません。そもそも買い物すらしたこともなく、一般食品と雑貨の区別もできないばかりか、フロア割自体も把握できずに迷子になるなど、大変な状況に。

結局のところ、空き段ボールを捨てに行ったまま家に帰ってしまい、そのまま辞めてしまいました。人間には向き不向き、適材適所があるので、本人を責めるつもりはありませんが、一番の原因は「人手不足だから」と誰でも採ろうとした採用担当者(店長)の責任なのかと。(そのための”お試し期間”ではあるのですが)

スーパーマーケットのパートさんの作業は、単純に見られがちですが、そんな簡単なものではなく、一歩売り場に出たら、おおむねの案内ができる知識と、少なくても配属部門の商品知識を備えていなくてはなりません。それらを一番理解していなければならない採用担当者(店長)が、立場を軽視していることが何とも許せないところかと。

双方にとって、不幸な結果しか生まれません。

フォークリフト暴走事件

お酒の販売量が多く、売り場の広い多い店舗では、売り場までパレットごとフォークリフトで運ぶ店舗もあるようです。また、店内にフォークリフトが入れない構造の場合は、ハンドリフトで運びます。ハンドリフトは使い慣れないと、なかなか指定の場所に置けないものですが、ある程度、覚えてしまえば簡単なのかと。

しかし、1トン以上のフォークリフトを運転するには、技能講習を修了しなければなりませんが、店舗によっては講習を必要としない、1トン未満のフォークリフトが置かれていることも。いずれにしても車と同じで、基本的な講習を受けずに素人感覚のまま運転を覚えてしまうと、走る凶器と化すのは想像に難しくないのかと。

実家が木材業だったこともあり、自転車感覚で乗っていた某社員。ある日、何を血迷ったのか、リフトのツメを下げないまま走って、搬入口のシャッターに激突し横転。幸い本人はリフトの下敷きにならず、かすり傷程度で済みましたが、とんでもない話なのかと。これが駐車場側に暴走して、お客に万一のことがあったら、誰が責任を取るのでしょう。閉店だけでは済みませんよ。

1トン以上未満に限らず、店舗敷地内にフォークリフトを置く場合は、担当者には必ず講習を受けさせるべきなのかと。畜産部のバックヤードまで聞こえた、地震のような衝撃音は、思い出すだけでもゾッとします。

j-rakuda

管理人teru 新潟のスーパーマーケット情報サイトやってます。 PC:http://www.j-rakuda.com/