あれから6か月~渦後
例の渦で大騒ぎになってから、はや6か月。6月に「渦後に変わるもの・変わらないもの」で、店頭における今後の予測を書いてみましたが、まだまだ不安要素も多く、現在でも「いったいどうなるの?」主旨のメッセージをいただいております。おそらく、世の中はじわじわと大きく変化していくのであろうし、現在進行形であると察しますので、「今の段階では、限定的なことは何も言えません」と、申し上げるしかございません。
しかし、3か月、6か月と日が経つにつれ、各店舗では少しずつ売り場の変化が見られるようになってきました。あくまで客の立場から見た店頭の、その後を記録してみます。
復活しつつあるベーカリーと惣菜ばら売り
とある企業では、従来からカバーを設置していたベーカリーや惣菜コーナーで、カバーとトングを一定時間おきに洗浄と消毒をして交換する告知のうえ、アイテムを絞ってばら売りが再開されています。カバーの無い店舗では、透明セロファンで覆う対応も見られます。また、惣菜を詰めるクリアパックや輪ゴムなどは、以前のように置けるだけ置くのではなく、不足しない程度に少量ずつ補充しています。
感染拡大当初はメディアを中心に「ゼロリスク」が当然という風潮もあり、売り場もそれに基づいた工夫がなされました。今に至っては、ウイルスとの共存を前提に、昔に近いスタイルに戻す方向となっているようです。
変わらぬ防護レジ・しかし客の意識に変化も
透明防護シートにアルコール消毒、キャッシュレス化の推進や袋詰めの見合わせなど、現在でも多くが維持されている印象です。しかし、当初は従業員からお客まで戦々恐々とした殺気漂う雰囲気でしたが、双方が清算の要領を得てきたようで、お客が自らポイントカードのコード部分を提示して、チェッカーがハンドスキャナーでサッと読み取る。キャッシュレスの場合、以前は手渡しだったレシートも、カルトンに置くことが当然となり、お客も自然にカルトンのレシートに手を伸ばす姿も。
細かい所作の意識レベルでしかありませんが、お客一人に対して数秒としても×客数と考えれば、チェッカーへの負担軽減は計り知れないのかと。だだ、すべてのお客が善意的ではなく、今もなお頭を傾げたくなるようなトンデモ客もざらですが、流れとして定着してきているようにも見えます。
やはり、キャッシュレス化は進まない田舎?
そんな中でも、老若男女問わず、現金で支払うお客が相変わらず多いと感じます。もちろん、「電子マネー」なんてカッコよくスカしても、新潟に限らず田舎の人間から見れば「単なる借金」ですし、ましてやこの渦の影響で仕事や残業が減り、賃金カットやボーナスゼロも当たり前どころか、オヤジが仕事をクビになって、日銭で暮らさざるを得ないご家庭も少なくないと察し、そんな悠長なことを言っている状況ではないのかもしれません。
自分もキャッシュレス化を進めて、店頭の焼き鳥屋と地元の飲食店くらいでしか現金を使いませんが、確かに月の収支を総括するのは、引き落とし金額が確定する月末になるので、ある意味、どんぶり勘定的な点は否めないところです。スマホのアプリを使いこなす手もありますが、アプリをバリバリ使いこなすスキルがあれば、とっくの昔に都会のタワーマンションでテレワークをしているか、田舎暮らしでも豪華な外食ランチをSNSにアップしているでしょう。
新聞紙面やネットメディアでは、キャッシュレス化が済んだと沸き立っていましたが、少なくても週末に自分が並ぶレジの列を見る限り、お世辞にも増えたとは言えない印象かと。率としての数字は増えているのかもしれませんが。
なかなか、難しいですね。
だって、町内会費ですら、1軒ずつ現金回収して、郵便局の窓口まで持ち込みではねぇ。
もう、めまいがします。
意外に増えた?マイバスケット
めまいを覚える田舎のキャッシュレス化ですが、マイバスケットを持参するお客は増えたように感じます。袋詰めサービスが事実上、無くなった店舗も多いわけで、それに加えてレジ袋まで有料となれば、当然と言えば当然でしょうか。袋詰めは手間取るもので、ひとつ300円程度のマイバスケットであれば、そう高くはない買い物に感じます。
マスクが並んだ陳列棚
2月には真っ白になったマスク売り場も、5月に入った頃から少しずつ陳列量やアイテム数も増えている印象です。不織布以外にも素材にこだわった商品も充実し、新たな形や少数ロットなど、選択肢も多くなりました。マスクの需要もワクチンの開発が進むまでの一時的な現象かもしれませんが、当面は続くものと見られます。
あのドタバタから半年。
今もって最前線に立たされる従業員にとっては、「まだまだ、一段落とは言えないよ」と御叱りを受けるかもしれませんが、安定した流通量の継続と、節度あるお客の態度に期待したいです。