壊れかけのクーラー
■7/26 壊れかけのクーラー
このクソ暑いのに、事務所のクーラーがぶっ壊れる。
以前から、ガタガタ音がしていたのだが、おお!遂にオシャカか!
最新式のステキなクーラーが脳裏を過る。
「てんちょー。クーラーとうとう壊れましたよー。」
「ナニ?そりゃあ、いつもバイトが井戸端会議してりゃ壊れるだろ。」
「は?・・バイトの井戸端会議って休憩室でしょ?」
「・・・休憩室のクーラーでないのか??」
「事・務・所!」
おめーの井戸端会議がクーラーぶっ壊したんだよ。
国費の無駄遣いあれこれ語る前に、おめーが電気代節約しろ。
仕事あるのもわかるが、おめーも売り場で売込みしろ。
・・と言いたい気分であったが、自分はオトナなので言わない。
若かりし頃は、鮮魚で腕を鳴らしていた(自称)ウチの店長。
どうやら、今で言うイケメン(要はイイ男)だったらしい。(自称)
しかし、時間と言うものは非常に無常で無残で残酷なものである。
そんな紅顔の美青年も(自称)、今ではどこにでも居るオヤジへと変化を遂げた。
ディスクワークが主になり、動かなくなったせいか腹が目立つようになった。
夏になると、滝の様に(脂)汗を流し、8×4=32が欠かせない。
バイトのねーちゃんからは「ウチの父親みたい~。」と敬遠される。
しかしヤツは、全てを時間のせいにする、自分を肯定する言い訳をする。
・・腹が出たのは、時間のせいではない。ヤツ自身の食生活の乱れである。
自分を「オヤジ」と思った時点で「オヤジ」である。
・・年齢のせいではない。己の考え方の問題である。
・・歳を取ってもステキな御老体は五萬と居る。
・・とぶっ壊れたクーラーを、汗だくで修理する店長の後姿を眺めながら思う。
・・事務所は言わば、ヤツにとったら売り場より居心地の良い自分の城。
「おお!直った!!!風がでとるぞ。」子供のような笑顔でわたしに微笑む。
・・そして残念ながら、最新式クーラーの夢は暫くお預けとなった。
「はっはっ主任!事務所で涼むより、売り場で売れ込めって事かもなぁ。」
・・キサマ。人生勘違いしてる。