赤い糸
■8/02 赤い糸
青果主任「エンドウ」がいつになくブルー。
どうやらコイの悩みらしい。
ふーん、イイねぇ。わたしより若干年上の御年頃。
わたしは売り場に立っているのがヤットだと言うのに。
と言っても、シゴトと売り場に、自分の全人生かけるだけの気力も無いけど。
・・でも、シゴトってそこまで極めてやれたらスゴイと思う。
自分がそこまで極める事が出来ないから、そう言う人尊敬します。
・・でハナシを聞くことにする。
帰りに酒でも呑んで・・と言いたいが以前、店の連中と居酒屋へ行った時、
ヤツは梅酒の梅を齧っただけで、赤面しろれつが回らなくなったので、
殺虫灯が光る、夜のバックヤードで缶コーヒー片手に、コイの悩みを聞いた。
「あのさぁ俺。キムラシズカと付き合ってるんだけどさぁ。」美人チェッカー
「知ってるって。あの弁当あのムスメの手作りだろ。」
「えー?なんでわかるんだよ!」
「だって、開店前決まって、カットフルーツの場所に弁当置いてあるじゃん。」
「しかも食べ終わったら、倉庫のタバコカートン置き場の隅に置くんだろ。」
「えー?なんでわかるんだよ!」
「みんな知ってるって。」
スーパー。そこは女性従業員の秘密の花園・・。
その数が多いほど、監視カメラの率も高くなる・・。
モチロン、IT時代以前からネット並の情報通達の早さは常識である。
しかし、長年勤務していてもソレに気付かない殿方は多い。
知らぬ間に、今日履いているパンツの色まで知られているのである。
・・どうやら一緒になりたいらしい。
アドバイスするほど、人生経験豊富じゃないので一般論などでとどめる。
ただこのままでは店長が式へ出席する事になる。とだけ言っておいた。
ヤツと店長はソリが合わないのは全店では有名。
一生の思い出になる結婚式に
汚点を残すのがイヤであれば
なんらかの工夫をしなければ
社内恋愛のムズカシイところである。